告知
第46回「TSとTGを支える人々の会」催し
公開シンポジウム(1998年10月25日)
「フェミニストとトランスジェンダーは手を結べるのか」
☆ 第46回「TSとTGを支える人々の会」催し・公開シンポジウム ☆
☆ 「フェミニストとトランスジェンダーは手を結べるのか」 ☆
話し手:原ひろ子さん,田中美津さん,伏見憲明さん,野宮亜紀さん
司会 :東優子さん
身体の性や戸籍上の性、養育上の性に違和感を持ち、自分らしいジェンダーを
求めるトランスジェンダリズムは、長い間ジェンダーの問題に取り組んできたフ
ェミニズムとどう同じで、どう違うのでしょうか? 従来の社会が決めた性の線
引き、それに基づいてある役割に押し込められることにノーと言う立場は同じで
あるように思います。一方で「フェミニストとトランスジェンダーでは問題への
取り組みが違うのでは」といったご意見を耳にすることもあります。初歩的な疑
問をお互いに投げかけることから始め、それぞれがどういう立場で社会に何を問
いかけようとしているのかについて考えてみたいと思います。
話し手は、文化人類学とジェンダー研究の分野で活躍されている原ひろ子さん、
70年代のウーマンリブ運動から現在まで息の長い活動を続けていらっしゃる田中
美津さん、フェミニズムも参考にしながらゲイの立場で活動されている伏見憲明
さん、自分にとってのジェンダーのあり方を模索しているトランスジェンダーの
野宮亜紀さんです。お誘い合わせの上、ご参加ください。
【日時】1998年10月25日(日)午後1時10分〜午後4時30分
【主催】TSとTGを支える人々の会 【協力】FTM日本
【会場】東京都立南部労政会館
東京都品川区広町2-1-36
JR線または東急大井町線大井町駅より徒歩約10分 品川区役所隣
tel. 03-3774-6012(場所の問い合わせ以外はしないで下さい)
【参加費】1000円(カンパ歓迎!)
【問合わせ・連絡先】
〒123-0845東京都足立区足立西郵便局留FTM日本気付「TSとTGを支える人々の会」
「TSとTGを支える人々の会」(Trans-Net Japan) とは
埼玉医科大学倫理委員会の答申発表をきっかけに、日本国内に性同一性障害
者のための支援・自助グループがないのはおかしいという思いから発足しまし
た。1996年の8月から、学習会や体験交流会、家族会などを、当事者やその家
族、パートナー、支援者を対象に行なってきました。普段の活動は、プライバ
シーへの配慮から参加者を当事者やその家族、パートナー、支援者(医療関係
者、カウンセラーなど)に限定して行ない、その参加者は98年8月までに約400
名(公開時を除く)にのぼっています。
◇TSとTGの当事者・家族・パートナーの方々へ ...
今回は、一般公開の催しです。参加者のプライバシーについては会としてで
きる限りの配慮を致しますが、皆様におきましても各自注意をされた上でご来
場ください。
〈講演者・パネリスト紹介〉(五十音順)
※講演者・パネリストは当日の都合により変更される場合があります。
◆田中美津(たなか・みつ)さん
生来虚弱なのに、70年代初頭のウーマンリブ運動でがんばって、心身ヨレヨ
レに。その後ぼーっとするためにメキシコで4年余り暮らす。その間に"ヒトは
からだだ"と悟り帰国。鍼灸師となって82年にハリ治療所「れらはるせ」を開
く。やがてまた、"からだは心で心はからだだ"だと気づくべくして気づいて、
7年前からイメージトレーニングのインストラクターに(現在朝日カルチャーセ
ンターで講座を開く)。主な著書に『いのちの女たちへ−とり乱しウーマンリ
ブ論』(河出文庫)、『美津と千鶴子のこんとんとんからり』(上野千鶴子氏
との対談・木犀社)、『自分で治す冷え性』(マガジンハウス)、『いのちの
イメージトレーニング』(筑摩書房)などがある。
◆野宮亜紀(のみや・あき)さん
MtFTG(male to female transgender)。早稲田大学心理学科卒業。コンサルテ
ィング業。「男性役割」を強制されることに疑問を感じフェミニズムに興味を
持ったが、性別違和が明確になってからはトランスジェンダリズムとフェミニ
ズムの接点について考えている。"いまの時点では性別再指定手術を要求してい
ない"ためトランスジェンダーを称しているが、あたかも「性役割」の転換を求
める人のように思われがちなため、この言葉には若干居心地の悪さを感じてい
る。「TSとTGを支える人々の会」運営委員。
◆原ひろ子(はら・ひろこ)さん
1934年ソウル生まれ。お茶の水女子大学教授。国民学校5年生のとき敗戦、
1921年玄海灘を越えて博多港に引揚げた時に「日本人にもドロボウがいる」と
知り、「朝鮮人はドロボウするけれど日本人は正直」と教えられてきた民族差
別の存在に気づき、そのことが文化人類学やジェンダー研究をする原点になっ
たと思う。特定社会の中の個人の多様性と、個人の多様性を社会がどのように
意味づけているかに関心をもっている。文化人類学専攻がなかった東京大学で
文化人類学を専攻した。その頃は「文化人類学は学問なのか」といわれていた
ので現在「女性学は学として成立するのか」とか「ジェンダーって何だーぁ」
といわれても平気で楽しく過ごすことができるみたい。研究した北米先住民の
諸社会の中には、セクシュアリティによって人間を分類しなかったり、いわゆ
るトランスジェンダーの人々の居場所がある社会も存在している。著書は『ヘ
ヤー・インディアンとその世界』(平凡社)、『人間はわかりあえるか』(P
HP)、『生のかたち』(思索社・日高敏隆との対談)など。
◆伏見憲明(ふしみ・のりあき)さん
1963年、東京生まれ。慶応義塾大学法学部卒。91年に『プライベート・ゲイ・
ライフ』(学陽文庫)を著わしてゲイとしてカムアウトし、センセーションを
巻き起こす。以降、ゲイやクィア理論の立場から「性」や恋愛をテーマに評論
や講演活動を展開し、ゲイ&クィア・ムーブメントの先駆的役割を果たしてき
た。岡山大学の非常勤講師をつとめたことも。その他の著書に『スーパーラヴ
!』(マガジンハウス)、『ぼくのゲイ・ブームメント』(自費出版)、『キ
ャンピィ感覚』(マガジンハウス)、『快楽の技術』(斎藤綾子氏との共著、
河出文庫)、『クィア・パラダイス』(対談集、翔泳社)、『〈性)のミステ
リー』(講談社現代新書)、『ゲイ・スタイル』(河出文庫)など。また、企
画・編集に携わった本に別冊宝島『ゲイの贈り物』(宝島社)、『クィア・ス
タディーズ'97』(七つ森書館)などがある。
〈司会〉
◆東優子(ひがし・ゆうこ)さん
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科人間発達学(博士課程)在籍。1993
〜95年ハワイ大学大学院に留学、ハワイ大学・性と社会太平洋研究所に所属し、
ヒューマン・セクシャリティを学ぶ。
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