告知
 

 第72回「TSとTGを支える人々の会」催し・講演会/非公開

     「トランスジェンダーをめぐる海外事情」

 ◆香港での国際性科学会報告&サンフランシスコのコミュニティ見聞記◆

 話し手:針間克己さん(精神科医)、虎井まさ衛さん(FTM日本主宰)     



 今年8月、香港で、トランスジェンダーにも関わる重要な学会が開催されました。
「新ミレニアム(千年紀)のセクシュアリティ」をテーマに、トランスジェンダー関連
の発表が例年になく数多くあった国際性科学会です。参加され、シンポジウム「トラン
スジェンダリズムの臨床的・社会的側面」ではシンポジストもつとめられた精神科医の
針間克己さんにご報告いただきます。
 また、同時期にサンフランシスコを訪問し、コミュニティの仲間たちと交流を深めて
きた虎井まさ衛さんに、体験談をお話しいただきます。

「トランスジェンダーと医療 世界の最前線」
針間克己さんからのメッセージ

 5日間にわたる会議中、多数の発表や講演が行なわれましたが、その中で、ジェンダ
ーや性同一性障害に関するものを報告します。
 シンポジウム「トランスジェンダリズムの臨床的・社会的側面」では、日本からお茶
の水女子大学大学院生の東優子さんと私(精神科医の阿部輝夫氏の臨床統計を発表)が
シンポジストをつとめました。各国の参加者から、日本での急激な状況の変化や、法制
度上の問題、日本の文化的背景の影響、自殺率や学歴、性指向などの臨床的特徴につい
て盛んに質疑応答がなされました。これによって、性同一性障害の問題は、文化や歴史
価値観の違いといった各国固有の問題があると同時に、その治療と支援に携わるものに
は、彼らの人権を守り、よりよいQOLへの共通の意識があると感じました。
 パネルセッションでは、イタリアのGiusta博士が、性同一性障害者の脳の事象関連電
位のパターンがMtF(男性から女性)では女性の、FtM(女性から男性)では男性
のものに近いという研究発表などがあり、性同一性障害の成り立ちを考える上で興味深
かったです。
 また、世界で唯一「トランスセクシュアリティ学教授」の肩書きを持つ、オランダの
Gooren博士とミネソタ大学のBockting博士によって、性同一性障害の精神療法とホルモ
ン療法のワークショップが開かれました。Gooren博士は、誕生後にも起こる性分化の過
程を無視して、誕生時、外性器の形などの観察される条件によってのみ、絶対的に性別
を割り当てる法制度の問題を話され、参考になりました。
 しめは、Coleman学会長の基調講演「新ミレニアムのセクシュアリティにおける革命的
変化:性的健康、多様性、そして性的権利」でした。ジェンダーや性指向など、セクシ
ュアリティによる差別のない社会をつくらなければならないという主張に感銘を受けま
した。
 そして、特筆すべきことは、ジェンダーの権利の保障をうたった「性的権利(セクシ
ュアル・ライツ)宣言」が採択されたことです。(裏面に全文掲載)

「虎井のトーク・スープ サンフランシスコの仲間たち」             
 虎井まさ衛さんからのメッセージ

 去る8月に一週間ほど旅したサンフランシスコには、TGたちとの素晴らしい出会い
があふれていました。それらの楽しいエピソードの数々を、のんびり聴いていただけれ
ばと思います。その後で、各々のTGプライドがほんの少し強まる−−そんな話ができ
ればと。      
 「トーク・スープ」というのは当日少し触れますが、「色々盛り込んで煮込んだ話」
といった感じの気楽なおしゃべりで、かつ栄養(この場合は情報)に溢れていることが
条件。世界一有名なFTM活動家、ジェイムズ・グリーンさんのお宅に泊めていただい
き一晩話し込んだことや、アジア系FTMのグループとの交流、今時のホルモン事情な
ど、FTM関係を中心に、時間の許す限りお話いたします。写真なども多数みていただ
く予定。こちらもリラックスしてかかりますので、みなさまもどうかごゆるりと・・・

◆話し手紹介◆

★針間克己(はりま・かつき)さん……東京大学医学部卒。東京大学医学部大学院博士
課程修了。医学博士。日本性科学会幹事。専攻/精神医学、性心理障害。著書に『セク
ササイズ58』(小学館)がある。

★虎井まさ衛(とらい・まさえ)さん
 FtMTS。1963年、東京生まれ。法政大学文学部を卒業後、性別再判定手術を受ける。現
在、文筆業に従事。著書に『女から男になったワタシ』『キアヌ・リーヴス!』、共著
に『ある性転換者の記録』(ともに青弓社)などがある。ミニコミ誌『FTM日本』、ニュ
ースレター『ASIAN TS CLUB』主宰。「TSとTGを支える人々の会」運営メンバー。

【日時】1999年11月20日(土) 午後6:00〜9:00
【主催】「TSとTGを支える人々の会」 【協力】「FTM日本」
【会場】都内の公共施設                          
【参加費】1000円(カンパ歓迎!)
【問合わせ・連絡先】※変更したので、ご注意下さい。

〒156−0044 東京都世田谷区赤堤二郵便局留 
 「TSとTGを支える人々の会」
※住所には、必ず「赤堤ニ郵便局」と漢数字の「二」を入れて下さい。

【参加資格】TS/TG/TV当事者の方。またはその家族、パートナー、支援者

◆当日のお手伝いをして下さる方を募集しています。
◆参加を希望される方は、電話で事前に申し込み、受付け番号をもらって下さい。
(参加者のプライバシーを守るためです。ご協力ください)
◆マスコミ関係者の参加、及び取材はお断わりします。写真&ビデオ撮影・録音厳禁。
◆遠方在住の方や、非公開でも出席できない方のために、本格的に報告集づくりの
プロジェクトをしています。集会のテープ起こしとイラストのボランティアを募集中で
す。パソコンまたはMS−DOS対応のワープロ、カセットテープレコーダーをお持ち
の方で、比較的、時間に余裕のある方、ご協力をよろしくお願いします!作業には、慣
れない場合、1時間の講演に5〜10時間かかります。また、原則として、テープ起こ
し希望の催しに参加された方に限定させていただきます。      



[ホーム][活動予定]